ヒメツルソバ日記

明るい気持ちになった物事を綴ります

草刈正雄さんに学ぶ ①

わたしにとって草刈正雄さんのイメージは、今から40年以上前の1978年、資生堂のシャワーコロン、ブラバスのテレビコマーシャルでした。“カリフォルニアシャワー”の文字が画面に表示され、白いスーツ姿の草刈さんが真っすぐな小道を走ってきます。道の両側はオレンジ畑で、彼の頭上から(クレーンに吊り下げられた透明な箱が傾けられて)オレンジが降ってくるのです。新鮮なオレンジがよく似合う草刈さんは、キラキラ輝いていました。


現在テレビに出演されている草刈さんは、自然体で、存在感のある役者さんです。芸能生活50年を迎えられたと聞きます。草刈さんは、どんな考え方をされて、どのようなことをつみ重ねてこられたのだろうと思いました。そんなあるとき、市立図書館の棚に、草刈さんが去年(2020年)の夏に出版された、『ありがとう!僕の役者人生を語ろう』(世界文化社)という本を見つけました(以下は、その本によります)。


草刈正雄さんは、1952年9月5日、福岡県小倉市(現・北九州市小倉北区)に生まれました。当時、彼の母親は20歳で、父親はアメリカ軍人でした。草刈さんがまだお母さんのお腹の中にいるときに、お父さんは朝鮮戦争で戦死したのだといわれます。草刈さんが父親の顔を知らないのは、お母さんが亡くなった父親の写真を1枚も残さずに処分してしまったからでした。


母一人子一人、4畳半一間に暮らす生活で、お母さんは大変な苦労をして草刈さんを育ててくれました。ただ草刈さんが成長期を迎える頃には、4畳半の部屋に母親と二人でいる生活が息苦しくもあったといいます。中学生時代、草刈さんは新聞配達を3年間続け、その頃欲しかったテレビと自転車を手に入れることができました。高校は、昼間に仕事をして、夕方から学校に通う定時制に進学しました。


(②につづきます)