ヒメツルソバ日記

明るい気持ちになった物事を綴ります

『noma ノーマ、世界を変える料理』を観て①

『アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー』のDVDを観たとき、その前に4編ほどの(当時の)新作DVD案内があり、その最初の作品が、『noma  ノーマ、世界を変える料理』でした。


北欧デンマーク、世界一予約のとれないレストラン、ノーマ。世界ベストレストラン50において、4度の1位に輝きます。あるとき、ノーマで食事をした63名がノロウイルスに感染しました。“最悪だよ、どうにもならない”。絶望しそうになりました。やがて、“直感を信じて、新しい挑戦を続けよう”と、言えるようになります。そのような再生のお話を聞きたいと思いました。それに、お皿に盛られた白いかたまりの食物に、蟻のようなものが点々と振りかけられた料理が何なのかも知りたかったのです。


“北欧の食材だけを使った、革新的な料理を作ろうと決めた時は、パズルのピースがすべて、はまったような感覚だった”。ノーマシェフ、レネ・レゼピさんの言葉です。


新しい北欧料理を作り上げるというレネさんの試みが、初めから周囲の人たちに受け入れられたわけではありません。批判の声も多く、苦労の連続でした。レネさんは行き詰まり、シェフを続けていく自信すら失くします。そんなとき、グリーンランド行きの話が持ち上がりました。彼は、生まれて初めて見るグリーンランドの氷に閉ざされた美しい眺めの中で、時間と場所というひらめきを得たのです。それは、今どこにいて、どの季節なのか感じられるような料理を、日々人々に提供するというものでした。


ローランド・リットマンさんは、野山に分け入って、キノコや食用の花、木の葉や実などを集める、植物採集の仕事をしています。ローランドさんは、レネさんに自然の中にこそ未知なことがたくさんあることを教えてくれました。店にこもらず外に出るべきだと、レネさんは考えるようになります。自分がいる場所に関心を持ち、そこにある食材にこだわれば、想像以上の味が作り出せることに気づいたのです。


(②につづきます)